interview

春風亭朝枝×春風亭与いち

vol.2 第一回【中編】

実は“きっかけづくり”が難しい二人会。夢は大きく【寅の子会】スペシャル!

朝枝さんは春風亭一朝一門の末っ子弟子。そして、与いちさんは春風亭一之輔一門の二番弟子。一之輔師匠が一朝師匠の二番弟子なので、朝枝さんと与いちさんは、一門の中で叔父・甥っ子という繋がりになります。とはいえ、香盤的には2年の開きしかなく、前座修行も一緒にこなした近しい存在。二人が同じ寅年生まれということから始まったこの二人会、開催にあたって、お二人に対談をお願いしました。好きなタレントの話から、前座時代の上下関係、そしてお互いにどんなふうに思っているかなど、縦横無尽にお話いただきました!

春風亭朝枝×与いちインタビュー写真

――さて、今回の【寅の子会】についてお伺いします。この会は、お二人が寅年というところにヒントを得て、開催することにしたんです。最初にオファーを受けたときの印象をお聞かせください。

朝枝:私は、このお話を伺って初めて、与いちが寅年だというのを知ったんです。前座も一緒にやっていたんですが、普段は香盤で見るので、12歳も離れているなんて思ってなくて……。(与いちさんに向かって)本当にすみません、何だか(笑)。こんなお若い方と一緒にやらせていただけるなんて、ありがたいことです。あ、そうそう。うちの師匠(春風亭一朝)も寅年なんですよ。

――そうなんですね。存じ上げなかったです!

朝枝:橘家圓太郎師匠も寅年生まれ。私はうちの師匠とは三回り、圓太郎師匠とはふた回り違うのですが、結構寅年の師匠方はたくさんいらっしゃるんですよ。

与いち:寅の子会スペシャルができるじゃないですか!!(笑)

――そのときには、ぜひ大師匠に来ていただきたいですね♡ 与いちさんは、オファーがあったときはどう思われましたか? 与いちさんが二ツ目に上がられて、朝枝さん、与いちさんのお二人で会ができる状態になったら絶対にオファーしたかったカードなんです。

与いち:あまり機会がないので、めちゃめちゃありがたい!と思いました。あにさんは大人気ですが、私はまだまだなので、この組み合わせは“スーパーレア”でしょうね(笑)。お互い、まったく違うタイプです。こういった二人会はタイプの異なる人とやったほうが面白いと思うんです。芸においてだけでなく、人間的な部分でもあにさんは私と違うタイプだと思うので、楽しみです。私は自分ができることを精一杯できればいいかな、と思っています。

春風亭朝枝×与いちインタビュー写真

――与いちさんは、朝枝さんの得意技、持ち味について、どう思っていらっしゃいますか?

与いち:得意技? なんていっても、高座姿がカッコいいですからね。落語の本質的な面白さをきちんと出せる、稀有けうな先輩だと思っています。特にこれだけ香盤が近い先輩の中では珍しいと思います。私みたいに小手先でやろうというタイプはごまんといると思いますが(笑)、あにさんみたいにちゃんと落語の面白さを出せる若手二ツ目は本当にいないので、私としてはご一緒できるのがありがたくて、私個人的に勉強させていただく会になりそうです(笑)。

――ベタ褒めですね! 朝枝さんは与いちさんの魅力について、どう思っていらっしゃいますか?

朝枝:すごく愛嬌があるんです。可愛げがありますから。しかも、また上手でして。マクラなんかも巧いなぁって。配信なんかを観ていても、やっぱり何だかんだいっても、面白い。

与いちあにさんが褒めてくださるところが、この会でも出せるといいんですけど……。

朝枝:私が勉強させていただこうかな、と思っています。もうね、胸を借りるつもりで(笑)。

与いち:ほら! また私が言ったことをそのままマネするから!(笑)

春風亭朝枝×与いちインタビュー写真

――香盤はどのくらい離れているんですか?

与いち:私は17年の3月に入門したんで……。

朝枝:2年くらい離れていますね。

――2年の差は大きいんですか?

与いち:前座は4年しか修業期間がないので、2年といったら真ん中くらいじゃないですか。平社員と部長くらいの差があります。

朝枝:一番下の子がやる高座返しのときに、太鼓番か立て前座くらいの位置になりますから、結構差は大きいですね。実は二人会は意外とスタートのきっかけをつくるのが難しいんです。ですから、こういう機会をつくっていただけるのは本当に嬉しいですね。

与いち:そうなんです。自分たちで二人会をするとなると、香盤の近い人じゃないと、なかなか声をかけづらくて。

朝枝:気を遣うでしょ、やっぱり。

与いち:そうですね。上の方からお話をいただくと、断れませんしね(笑)。

朝枝:そうそう。嫌でも断れない(笑)。

与いち:「やりたくないです……」って下は言えないですもん(笑)。それは冗談としても、一方でご一緒したい先輩がいらしても、下から上の方には声をかけづらいというのもあります。こうやって機会をつくってくださる方がいないと、なかなか叶わないものなんです。

朝枝:だから、実現しなかった可能性もあるものね。本当に嬉しいです。

  • photo by SHITOMICHI
  • interview and text by MIHO MAEDA
  • profile
  • 春風亭朝枝(しゅんぷうてい ちょうし)1986年4月12日生まれ 丙寅(ひのえ とら)2015年2月16日、春風亭一朝に入門。
  • 春風亭与いち(しゅんぷうてい よいち)1998年4月5日生まれ 戊寅(つちのえ とら)2017年3月、春風亭一之輔に入門。
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