interview

春風亭朝枝×春風亭与いち

vol.4 第二回【前編】

一門は“家族”と同じ。だからこそ、ふたりでやれるのが楽しい!

朝枝さんは春風亭一朝一門の末っ子弟子。そして、与いちさんは春風亭一之輔一門の二番弟子。一之輔師匠が一朝師匠の二番弟子なので、朝枝さんと与いちさんは、一門の中で叔父・甥っ子という繋がりになります。とはいえ、香盤的には2年の開きしかなく、前座修行も一緒にこなした近しい存在。前回の寅の子会を終えて約4カ月経ちましたが、遅ればせながらの『打ち上げ』(※あくまでもテイで)ということで、おふたりにお時間をいただき、恒例の対談を行っていただきました!

春風亭朝枝×与いちインタビュー写真

バーミモザのカウンターに座り、いよいよ対談スタートです。普段はお着物姿を見慣れているせいか、スーツ姿のおふたりにスタッフ全員がキュンとしながら、見守ります。

――おふたりが会うのはどのくらいぶりですか? 会ったときにはどんな話をするんですか?

与いち:浅草の寄席で会いましたよね。会ったときは、常に人前で話せないような内緒話をしています!

朝枝:そんなことない、そんなことない(笑)。普通ですよ、世間話。

――こっそり話してるんですか?(笑)

与いち:そうです。聞かせられない話です!!!

朝枝:与いち、「そうですね!」、じゃないよ……(笑)

――ようやく緊急事態宣言が解除になりましたが、落語会や寄席の様子はどうでしょう?変化はありましたか?

朝枝:寄席のほうにはお客さんが戻ってきている印象があります。落語会も、もう中止になることはほとんどなくなってきていますし。

与いち:私はまだ寄席に入ってないんですよね(※10月9日現在)。10月1日に『ようこそせんぱい』というコロナ禍昇進組の二ツ目が集まって主催した会があったのですが、緊急事態宣言は明けていたものの、リバウンド防止措置法で20時には終了しなくてはならず……。まだまだ縛りはあるなぁという印象です。

春風亭朝枝×与いちインタビュー写真

――さて、改めて前回の【寅の子会】についての感想をお聞かせください。

朝枝:楽しくやらせていただきました! 与いちと初めての会だったしね。 与いちはこういう落語をやるんだなぁと感心して聴きました。前座のときに袖で聴くというのはありましたけど、普段はあんまりちゃんと聴けないし、なんといっても『船徳』のようなしっかりした、前座噺でない噺を聴くのは初めてでしたから。

――朝枝さん、与いちさんの『船徳』はどうでしたか?

朝枝:(与いちさんに向かって) どう言ってほしい?(笑)

与いち:面白かったって、言ってください(笑)。

朝枝:(インタビュアーに向き直って) 楽しかったです!(笑) 楽しく聴いてました。

――では、与いちさんは朝枝さんの高座を聴いて、どうでしたか?

与いち:めっちゃ面白かったです!

朝枝:いやいや。そんなに苦しそうに吐き出すように言わなくても!言わせてるみたいじゃん。

与いち:(少しヤカラ風な低い声で) 兄さん、さすがでした!!!(笑)

春風亭朝枝×与いちインタビュー写真

――今日はその衣装も相まって、さらに舎弟感が強いですね、与いちさん。

与いち:どうしてもそうなっちゃうんですよ。香盤が1年以上離れているんで。

朝枝:3期〜4期くらいは離れているかな。間に10人以上はいるよね。そもそも、香盤がひとつ違うというだけでも全然違うんです。やはり、それだけ厳しい世界というか。与いちと私は同じ一門だから話をする機会も多いので、こうやってくだけて話すこともできますけど。

――私たち一般人の感覚だと、すごーく引きで見るので3~4期くらいなら香盤が近いイメージなんですけど、やはりその世界のシキタリや感覚というのはなかなか肌で分からないものですね。もし違う一門同士だったとしたら……。

朝枝:今の私たちの様子とはまるで違うと思いますよ。まあ、でも人にもよるかな。香盤が離れていても、いくヤツはどんどんいきますからね。

与いち:それを兄さんがボコボコにするという!(笑) まあでも、外の世界の方々から見れば、“二ツ目”という括りだけで、全員同じですよね。もう真打直前くらい離れた先輩だとパッと見でも分かると思いますが、前座を一緒にやったくらいの近さだからこそ余計に線引きがあるんです。

朝枝:同時期に前座修行をすると、お互いに“守るところ”“ふざけてもいいところ”みたいな微妙なバランスを覚えていくんですよ。

与いち:“前座”と一括りにしても『高座返し』『楽屋番』『立前座』と役割があるじゃないですか。それで分けると、やっぱり立前座と高座返しではまったく違いますからね。“ヒエラルキー”が存在しているといいますか。

春風亭朝枝×与いちインタビュー写真

――なかなか見えづらいですけど、“香盤”はやはりかなり影響してるんですね。目の前で聞くのもなんですけど、与いちさん、やりづらくないですか?(笑)

与いち:やりづらさなんかないですよ! あっても「やりづらくてしょうがねぇ」なんて言えないです、そりゃ(笑)。

――すみません。与いちさんの単独インタビューでこっそり聞きますね。

与いち:ひとりのときでも言いませんけどね(笑)。

――逆に、同じ一門だからやりやすい、というのはあるんですよね。

与いち:もちろんです。一門は“家族”ですからね。特に我々の一門はすごく仲もいいので、やりにくいという相手がひとりもいないというか……

朝枝:だから一門でこうやってふたりでやれるのは、本当に嬉しいよね。

  • hair & makeup SHOHEI INOUE
  • photo by SHITOMICHI
  • interview and text by MIHO MAEDA
  • location at BAR MIMOSA
  • profile
  • 春風亭朝枝(しゅんぷうてい ちょうし)1986年4月12日生まれ 丙寅(ひのえ とら)2015年2月16日、春風亭一朝に入門。
  • 春風亭与いち(しゅんぷうてい よいち)1998年4月5日生まれ 戊寅(つちのえ とら)2017年3月、春風亭一之輔に入門。
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