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春風亭朝枝×春風亭与いち

vol.11 第四回【後編】】

新たな会場に身の引き締まる思い!
そこに集う予定の多くのお客様と過ごす時間を想像し、すでにワクワク!

いよいよ生誕祭を迎える寅の子会は、いよいよ4回目。お誕生日というビッグイベントもありますが、それよりも今回は場所をひとまわりも、ふたまわりも大きく、港区伝統文化交流館へと移動させるとあって、おふたりのテンションも高め。実際に隅々まで会場を見ていただき、本番に向けてライトや高座のチェック、そして屋外、室内でと写真もたっぷりと撮ったところで対談をスタートしました!

春風亭朝枝×与いちインタビュー写真

――よく、タレントさんなんかにインタビューするときは「ご自身にプレゼントを贈るなら、何にしますか?」なんて質問をしたりするのですが、おふたりとも【二ツ目3年目】【二ツ目2年目】という節目で、ご自身に贈りたいプレゼントはありますか? 。

与いち:自分に贈るんですか?

朝枝:えーー。難しくないですか、この質問。たとえば、タレントさんだったらなんて答えることが多いんですか? 海外旅行!とか言っちゃうのかな。

――あはは(笑)。そうですね。たとえば私が仮にライターになって2年目だったとして、そういうふうに聞かれたら「一年間頑張ったから、自分に万年筆ですかね」みたいなオチですかね。

与いち:なるほど! 万年筆いいですね。じゃ、着物かな? 着物って自分でしか買わないですからね、基本的に。

――きっとタレントさんへのインタビューだったら、「どうしてお着物ですか? そして、どんな着物を仕立てますか? こだわりは何ですか?」とか、矢継ぎ早に聞いちゃいますね……。そういうストーリーがあると原稿書きやすいので(笑)。

朝枝:万年筆いいですね。

与いち:絶対、万年筆じゃないでしょう、兄さんは(笑)。

朝枝:いや。万年筆がいい!

与いち:さっきのやり取り、聞いてましたか? その先のエピソードとか、出てこなくないですか?(笑)

朝枝:そんなことないよ。え、与いちだって、前座のときに比べたらお礼状を書くことが各段に増えたでしょ?

――確かに! お会いした当初は、よく朝枝さんから頂いていました……(遠い目)。最近、すっかり届かなくなっちゃったけど……(笑)

朝枝:いやいや(笑)。結構直接お会いしてるじゃないですか!!!

与いち:あれ? 僕出したことありましたっけ??

――ないです(笑)。

朝枝:ほら、与いちも僕も、本当にいっぱいお会いしているから(汗)

春風亭朝枝×与いちインタビュー写真

与いち:そうですね……。寅の子会のスタッフの方には、皆さん本当にお世話になっていますし……。じゃあ、あとで皆さんのメールアドレス教えてください!

――メール(笑)。与いちさんは手紙じゃないんですね。

与いち:僕、葉書とか手紙とか、書くのが本当に苦手なんですよ……。

――ちなみに、話がどんどんスピードを増して逸れていますが(笑)、今は自分に買うプレゼントの話ですからね。朝枝さんは万年筆なんですね? 確かに、朝枝さんのお礼状、すごく凝った葉書だったりしますよね。

与いち:え、兄さん、そうなんですか? 凝ってるって、和紙とか?

朝枝:そうそう。それに落款というか、印鑑押して、万年筆でね。

与いち:ええええ。すごい! そういえば、とある師匠は巻物で出すって聞いたことがあります。もちろんお客様にもよるんだと思いますが。

――私の知り合いの、とある劇団の広報の方もお礼状を巻物で送ってこられました(笑)。アピール感がハンパないですよね。印象深いから、二度と忘れない。

朝枝:巻物? ながーい和紙みたいなのをクルクル巻いて? へえー。じゃ、私が巻物始めたら、最初に送らせていただきます!

――巻物を始めたら、って、まるで冷やし中華みたいですね(笑)。

与いち:「巻物始めました。春風亭朝枝」って感じで、それだけ書いて送るのどうですか?(笑)

朝枝:いいねぇ(笑)。

春風亭朝枝×与いちインタビュー写真

朝枝さんと与いちさんの【自分へのプレゼントを何にするか】問題についてのトークが止まりません(笑)。頭を抱えて悩みながらも、じゃれ合いながらあれこれ考えるのが楽しい様子で……。しかも、朝枝さんは途中から別のことが気になりだしたようです。

与いち:じゃ僕は着物で。普通の洗える着物が一番なので、洗える着物を自分にプレゼントします!

――何色にしますか?

与いち:七色。レインボーっていうんですか、そこにビラビラつけちゃおうかな。

――フリンジ?

与いち:そう、それ! フリンジのついた着物にします! え? 嘘っぽい? 嘘です。すみません(笑)。じゃ、寅の子会だから、寅柄の着物! 尻尾もつけて、ファーの帯を締めようかな(笑)。

朝枝:何だろうね……。今年の目標ですよね……?

与いち:兄さん????  え? そんな話題でしたっけ?

――朝枝さん、またどこかに飛んでた(笑)。自分へのプレゼントって話だったかと……(笑)。

朝枝:筆記用具。文房具……ですかね。でも、何でしょうね、今年の目標は。

与いち:兄さん、それが気になってるんですね(笑)。

――今年の目標は聞くつもりはなかったですけど(笑)、朝枝さんが話したそうなので、聞いてみましょうか(笑)。

朝枝:今年の目標と自分へのプレゼントは、ほぼ同じような感じがするの……。そんなことない? 地方に呼んでもらえるようになりたいですね、今年は。

与いち:じゃ、プレゼントはキャリーバッグですか?

朝枝:それは持ってる。

与いち:着物2セット入れるとなると、キャリーバッグじゃないと無理ですもんね。

春風亭朝枝×与いちインタビュー写真

朝枝:ノート!!!!

与いち:ノート???。

朝枝:ノート。それでいっぱい噺を覚えようと思います。どう?

与いち:兄さんは普段、どこのノートを使っているんですか?

朝枝:コクヨ?

与いち:無印はめっちゃ安くていいですよ!!

朝枝:アレ、なんでしたっけ? ネタ帳みたいなヤツ。会のときにネタ帳にするヤツです。

――芳名帳ですか?

朝枝:ソレです。それ。芳名帳にしようかな。落語会が増える、もしくは続いたときにはサッと出せるように芳名帳を常にストックしておくっていうのはどう? 自分にプレゼントしておくの。

与いち:えええ。僕はスマホのメモ帳にネタを入れていますよ。

朝枝:自分でもメモはしているけどさ、会のときには芳名帳で残しておくっていう感じでしょ。だから、それを自分にプレゼントしておけば、少しでも会が増えるきっかけになりそうなので、そうしようっかなー♡

――いいですね。ひとつでも多くおふたりの会が増やせるように、寅の子会も頑張りたいと思います!

朝枝 与いち:ぜひ、よろしくお願いいたします!!

春風亭朝枝×与いちインタビュー写真

――今回は撮影時間が限られていてインタビュー時間も短かったのですが、それでもおふたりが少しずつ慣れてきてくださっているので、和気あいあいと、終始笑いに包まれた対談となりました。おふたりのレアな誕生日プレゼント話は、いかがでしたか? 定期的な会をたくさん持たれているおふたりなので、お会いするたびに実力を伸ばされているのが手に取るように分かります。素敵な年男の一年になるよう、寅の子会も精一杯お手伝いしたいと思っています!

  • photo by SHITOMICHI
  • interview and text by MIHO MAEDA
  • profile
  • 春風亭朝枝(しゅんぷうてい ちょうし)1986年4月12日生まれ 丙寅(ひのえ とら)2015年2月16日、春風亭一朝に入門。
  • 春風亭与いち(しゅんぷうてい よいち)1998年4月5日生まれ 戊寅(つちのえ とら)2017年3月、春風亭一之輔に入門。
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