interview

春風亭朝枝

vol.4 第一回【後編】その2

芝居噺をどんどん覚えていきたい。理想はやはり「師匠の、一朝です!」

春風亭朝枝さんは昨年、2020年2月に二ツ目に昇進されました。お披露目が終わったタイミングでコロナ禍に見舞われてしまいますが、その運命をモノともせず、ひたすらに切磋琢磨。いまでは二ツ目二年目にして、すでに即日完売のチケットが続出するという、大人気の噺家さんへと成長されつつあります。
インタビューの後編では、甥っ子弟子の与いちさんに対する印象や将来への思いを伺いました!

春風亭朝枝インタビュー写真

前座時代を一緒に過ごしたからこそ抱く、「与いちは上からも下からも愛される若者」という感想。

さて、いよいよ【寅の子会】での相方となる、春風亭与いちさんについてお伺いします!

――対談でも色々とお話いただきましたが、与いちさんに対して、「絶対にここはかなわない!」というポイントを教えていただけますか?

朝枝:朝枝:若さ!!!

――与いちさんも同じことをおっしゃってました(笑)。「僕が勝てるものは、若さかな」って。

朝枝:気が合う〜(笑)。それは絶対に勝てません。18歳で入門してきて、今まさに体力も有り余っている状態の若者には、もう絶対にかなわないですよ。

――では逆に、「これは私のほうが上かも」「自分のほうが勝てるんじゃい?」みたいなことは?

朝枝:負けないぞ!ということですよね。【香盤】ですかね(笑)。

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―それは確かに抜かせない……(笑)。絶対に負けませんね。

朝枝:はい。それだけは、もう(笑)。

――初めて与いちさんにお会いになったときの印象を覚えていらっしゃいますか?

朝枝:真面目そうな方だなと思いました。前座時代にも思っていましたが、本当にまっすぐで正直な若者だと思います。人付き合いがとても上手で愛嬌もあって。与いちのことを嫌いという人はいないんじゃないですかね。上からは可愛がられて、後輩からも慕われているし。

――香盤が離れていると二人会は難しいと対談でもお話しされていましたが、与いちさんくらいの間でも難しいんですね。

朝枝:そうなんです。後輩に声をかけても気を遣わせてしまいますし、逆に先輩には声をかけるのも失礼ですから。そういう意味でも、今回はとてもいい機会で、本当にありがたいです。

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「噺家の理想像は、やはりうちの師匠の一朝です。師匠のように、ずっと健康で高座に上がれれば、それが一番」――朝枝

「若さには勝てませんから!」とジョークを飛ばす朝枝さん。対談のときもそうでしたが、可愛い弟のような甥っ子弟子の与いちさんの話になると、表情がほころびます。

―では、これから先5年後、10年後はどんな噺家になっていたいと思いますか? ご自身の理想像があれば教えてください。

朝枝:なんか、もう健康ならいいかなって(笑)。

――おじいちゃんじゃないんですから(笑)。

朝枝:座っている仕事なので、膝とか腰とか、そういうところに負担がかかりやすいんです。座れなくなったらダメですから。やっぱり大切にしておかないと。

――確かに、多くの師匠方が痛風で正座ができないとか、よくおっしゃってますものね。朝枝さんの理想は、やはり一朝師匠ですか。

朝枝:はい。そうです。

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――私は一朝師匠と一之輔師匠が師弟だと最初に聞いたとき「まったく違うタイプだな」という感想を持ったのですが、お二人の高座を多く観るにつけ、一之輔師匠に一朝師匠のDNAが脈々と流れているんだと思うことがあるんです。

朝枝:私も感じます!! 一之輔師匠は時々、別の噺のキャラクターを持ってきたりすることがあるじゃないですか。あのような遊び方はうちの師匠から来ているんじゃないかと思うことがあります。兄さん方、みんなに通ずるところですが。

――『蛙茶番』なんて、一朝師匠から一之輔師匠、朝枝さんもそうですが、みんな揃っておやりになりますものね(笑)。

朝枝:バカバカしい噺ですが、みんな楽しんでやっていると思います。

――ありがとうございました! 次回もまたお話を伺うと思いますので、ぜひ面白いネタを集めておいてくださいね。

朝枝:あはは。承知いたしました。よろしくお願いいたします!

いつも背中を猫のように丸めながら、出囃子とともにゆっくりと登場する朝枝さん。はんなりした姿はまさに【ザ・噺家】といった趣ですが、高座姿だけでなく、朝枝さんがお話になる噺もまごうことなき“本寸法”。一瞬にして江戸時代へとタイムリープさせてくれます! 【寅の子会】でも朝枝さんの繊細で情緒たっぷりな高座をお届けできると思います。ご期待ください!

  • photo by SHITOMICHI
  • interview and text by MIHO MAEDA